ユーロの金利について
以前FX投資家の方向けのメールマガジンでユーロは沢山の国が参加しているのになぜ金利が一つなのか、という質問をいただきました。まさにこの部分が今のユーロ圏の信用危機の要因ともいえます。
通常、それぞれの国単位で国内経済・景気を安定させ、外国とバランスを取るため、通貨政策や金利政策(金融政策)を行います。つまり通貨ごとに金利がセットとなっています。金融政策はインフレ等の調整のほか、為替レートそのものをコントロールするためにも用いられています。
ユーロの場合、多数の経済事情が異なる国が一つの通貨を採用し、一つの経済圏としているため、政治はもちろん各国で行うのですが、金融政策は欧州中央銀行(ECB)と各国の中央銀行からなる欧州中央銀行制度によって共通に行われています。
経済事情が異なる国の集合体ですから、金利一つ決めるのも大変な調整が必要となりますし、どうしてもひずみが出てしまうことになりますよね。今回ユーロ信用不安による大幅なユーロ安で大きく得をした国があります。先進国であり、ユーロの中心的な存在であるドイツやフランスです。特に輸出大国であるドイツにとっては大きな追い風となり、株式は大きく上昇しています。
ユーロ安は相当進んだものの、PIIGSと呼ばれる南欧諸国の財務不安が解消されているわけではありませんよね。まだまだ不安定な状況です。同一通貨、同一金利とはいっても、こうした国による違いは実は金融市場にしっかりと表れてきます。どの国も資金調達のために国債を発行しますが、同じユーロ建てでありながら利率・利回りは国ごとに大きく異なってくるのです。短期金利は同一であっても長期金利は市場の需給ベースで決まりますから、信用リスク分が利率となって上乗せされるためです。
ドイツにお金を貸すのと、ギリシャにお金を貸すのが同じ金利であれば、誰でも確実に返してくれそうなドイツに貸しますよね。お金を借りたいギリシャは金利を上乗せすることで、「高めの金利なら貸してあげるよ」という投資家から借金しているのです。このためユーロの信用不安が始まってからドイツとPIIGS諸国の国債の利回り格差は大きく開いています。
こうして同じ通貨、共通の中央銀行による共通の金利ベースであっても各国においての金利水準の違いはあるといえます。金利はコントロールができる短期金利と需給によって成立する長期金利に分かれるため、「一つの金利」といっても債券市場で見ると格差がはっきりと出るということです。
一国一通貨であればもっと大胆な金利政策なり、通貨政策なりを行えるはずですが、ユーロ圏ではそういった手も打てず、かといってユーロ建て債券を債務不履行にすることはできず、今さらユーロをやめることもできず・・・という大変難しい状況にいるということですね。
今晩は18時に、ドイツでもっとも注目される指標の一つであるIfo景況感指数が発表される。前回につけた109.9という数字は、東西ドイツが再統一されてから最高の水準であり、現状のドイツ経済の力強さを印象づけた。今回の予想も109.9と、前回と同水準が期待されており、ドイツの好調さが継続しているという見方が強い。ギリシャなどの財政赤字問題を支えるには、ドイツ経済が力強い必要があり、予想を下回るような数字が出ると、ユーロ買い戻しに慎重姿勢が生じる可能性も。今月初めに発表された独雇用統計において、失業者数が予想外に増加したことなどが懸念材料ではあるが、基本的には好調な経済状況が続いているという見方も強い。
今晩18:00頃にユーロ圏の製造業PMI(購買担当者指数)が発表される。予想は57.0(前回57.1)。2009年10月分から景気判断の分岐点となる50を上回っており、昨年3月分からは55を挟んだ高水準となっている。先週金曜日に発表された独Ifo景況感指数は、西東ドイツ統一以降の最高値を示し、ユーロ圏債務国とドイツの長期金利差が縮小、ユーロは続伸した。欧州ソブリンリスク懸念も後退しており、今回強い数字が示されればユーロの一段高もあり得る。ただ、本日は注目材料が少なく、週央には日米の金融政策会議(会議後に政策金利発表)、金曜日には米GDPと重要イベントが控えていることから大きく動くことはないだろう。
為替相場の注目ポイントとテクニカル分析
【注目ポイント】
FOMC・・・ホーニグ氏が投票メンバーから外れ全会一致で緩和継続決定か
中国の金融引き締め懸念・・・来週末の春節にも利上げとの観測も
米国債利回り・・・米国GDP好調の見方がサポートとなるか
英中銀MPC議事録・・・インフレ懸念をどう評価するか注目
RBNZ理事会・・・追加利上げに一段と慎重な姿勢を示すか
【テクニカル分析】
ピボットテクニカル指標で為替相場予想
基準値は、前日の高値、安値、NY市場の終値をもとにしています。
H:ハイ・ブレイクアウト・ポイント(新しいトレンドの発生の可能性)
R:レジスタンス(上値の目途)
S:サポート (下値の目途)
L:ロー・ブレイクアウト・ポイント(新しいトレンドの発生の可能性)
<ドル/円><ユーロ/円><ユーロ/ドル><ポンド/ドル>
H 83.500 113.673 1.38635 1.62136
R2 83.299 113.088 1.37450 1.61166
R1 82.933 112.784 1.36850 1.60591
基準値 82.732 112.199 1.35665 1.59621
S1 82.366 111.895 1.35065 1.59046
S2 82.165 111.310 1.33880 1.58076
L 81.799 111.006 1.33280 1.57501